小売商業の業態開発と中小零細商のコンフリクトに関する研究

川原 直毅(代表)

■所属学部・職位/商学部 教授 ■専門分野/◎マーケティング・リサーチ ◎ブランド戦略論


松尾 洋治

■所属学部・職位/商学部 准教授 ■専門分野/◎マーケティング・マネジメント

研究内容・目的

2000年5月、中小零細商業者の保護を目的とした大店法が廃止され、駐車場・駐輪場、騒音、産業廃棄物の保管などを規制した大店立地法が6月より施行され、従来の保護政策から環境規制へと転換した。
しかし、中小零細商の衰退・減少傾向は依然として続いており、とりわけ郊外型SCの進出は都心部の空洞化を招き、また、他業態の進展によって中小零細商及び地域型商店街はシャッター通りと化し、地域商業に多大な影響を及ぼしている。
同時に、それまでの消費者購買行動はデフレによって低価格・高品質・高品位志向などライフスタイルの変化、ディスカウントストアやホームセンター、 郊外型SCのワンストップショッピング、さらにはアウトレットなどへ誘っている。
そこで、本研究では今一度、わが国商業構造を見直し、新業態がどのように発展したのか、時系列的に振り返ると同時に、商業における業態開発が購買行動、購買心理、社会・経済、都市問題に与えた影響について検証を行うものである。
次に、本研究では地域商業が抱える問題を広く学生に現状と課題を認識させ、基礎知識から専門知識まで学び、主体的に解決できる能力を滋養しようとするものである。言わば、実践的な学問と捉えて、地域活性化の担い手となれば幸いである。



研究計画

小売業・流通業をはじめ、すべての業態の調査を行うことを前提としている。前年度の成果として、イノベーションインデックスを作成したが、これらの全国の先進事例はもとより、中国地域、広島県内、各自治体まで広く実態調査を行う。研究手法としては、ストア・コンパリゾン(店舗比較法)、仮説にもとづく実態調査、民力による消費者動向、また、経済指標を用いた統計調査から見たデータ比較と実態の乖離についても記録する。さらに、定点観測やストリートビューによる手法から過去と現在の違いを明確にする。
特に注目したいのは、衰退する商店街のMDである。MDとは一般的に商品化計画を指すが、商店街の場合は業種構成と捉えることができる。すなわち、どのような業種が生き残っているのか否かである。広島市商圏でも今なお、新業態が出店しオーバーストアに歯止めが掛らない状態である。ライフスタイルの提案と言われるが、本来は百貨店がそれを担っていた。しかし、百貨店ですらその存廃が危惧されている。これらの問題についても触れたい。